ケアプラン(介護サービス計画書)を作成しよう

投稿日:2023.06.08

要介護認定が下りたら、毎月の介護保険の支給額や、介護保険を使って利用できる介護サービスが決まります。それをもとに、次は介護に関する具体的な計画を作成していきます。この計画が「ケアプラン」です。ケアプランの作成に欠かせないのが、「ケアマネジャー」の存在。介護のスペシャリストであるケアマネジャーが、心強い味方になってくれます。

もくじ
よりよい介護のために作るケアプラン
介護に欠かせないケアマネジャーの存在
ケアプランの作り方
ケアマネジャーとの関わり方
要望を共有できる「サービス担当者会議」

よりよい介護のために作るケアプラン

ケアプランとは、介護サービス利用者の状態の悪化を防ぎ、自立を促すためのサービス利用計画書のことで、要支援者の場合は「介護予防ケアプラン」、要介護者の場合は「ケアプラン」といいます。

居宅サービス、施設サービス、そして福祉用具の購入やレンタルなど、さまざまな介護サービスをどう組み合わせて受けるのが、利用者本人にとってよいのか。ケアプランはプロであるケアマネジャーによる的確な判断のもと、介護サービス利用者やそのご家族の意向も十分に反映させながら作成します。今後、介護に関わっていく多くの人たちが、利用者のために力を合わせるうえで、とても大切な書類です。

介護に欠かせないケアマネジャーの存在

ケアマネジャーは「介護支援専門員」の通称で、介護支援専門員実務研修受講試験に合格し、資格を取得した、いわば介護保険のプロフェッショナルです。

ケアマネジャーの仕事は、ケアプランの作成のほか、サービス事業者への橋渡しや調整、介護保険により支給される費用の管理、日常的な悩み相談にいたるまで、多岐にわたります。

介護サービスを受けるにあたり大切なパートナーとなるため、信頼できるケアマネジャーを探し、契約する作業はとても重要です。

多くの市区町村では、要介護認定の結果通知書とともに、居宅介護支援事業所に所属するケアマネジャーのリストを送ってくれます。まずはこれを参考にコンタクトをとったり、また特別養護老人ホームなどの施設や、地域包括支援センター、介護用品を扱う企業に勤めている人の中にも資格取得者はいるので、いろいろなルートから適任者を探してみましょう。すでに介護サービスを利用しているご近所さんや知り合いに聞いてみるのも有効です。

ケアプランの作り方

ケアプランの原案は、ケアマネジャーに依頼します。利用者本人やご家族の意向、毎月の介護保険からの支給額、介護認定調査員が認定調査時に作成した認定調査票、場合によってはかかりつけの医師の意見も取り入れつつ、最適なプランを提案してもらいます。

ケアマネジャーに任せず、自分たちで作成する「セルフケアプラン」という方法もありますが、情報収集や煩雑な手続きに苦労する可能性は大きいので、プロに任せることをおすすめします。

まずは、ケアマネジャーが住まい(自宅、または施設など)を訪れて利用者と面談し、現在の状況、問題点、介護に対する要望などを聞き取ります。これを「アセスメント」といいます。

この面談内容をもとに、利用者やご家族の要望に合わせた長期的、短期的な目標を立てます。

次に、その目標を達成するために必要なサービスを検討し、どのサービスをどれくらい利用するかを決定して、1週間のタイムスケジュールなどに落とし込みます。

そうして、以下の第1~7表までの7種の書類を作成し、第4・5表を除く5種の書類を利用者とケアマネジャーとで共有します。

<第1表:居宅サービス計画書(1)>
アセスメントをもとにまとめた利用者とご家族の意向や援助方針

<第2表:居宅サービス計画書(2)>
利用者の課題と、それに伴う長期的、短期的目標。目標に向かって実施すべき具体的な介護サービスの内容。

<第3表:居宅サービス計画書(3)>
利用予定の介護サービスを組み合わせた1週間のタイムスケジュール。

<第4表:サービス担当者会議の要点>
サービス担当者会議での記録。

<第5表:居宅介護支援経過>
ケアマネジャーとの相談内容の記録。

<第6表:サービス利用表>
各サービス事業者の月間のサービス実施計画。

<第7表:サービス利用表別表>
1カ月の介護サービスの利用単位数と費用。

ケアプランは1度作成したら終わりではなく、常に見直しが必要です。ケアマネジャーと毎月1回以上の面談を行い、目標通りに介護サービスが実施されているか、またその内容が適切であるかを確認し、必要に応じて改訂を繰り返します。

ケアマネジャーとの関わり方

ケアマネジャーとともに、よりよい介護に向かうためには、すべてをケアマネジャーに任せきりにしないことです。知識と経験をもって、ケアマネジャーがさまざまなことを進めてくれますが、介護の中心は、あくまで介護を受けるご本人と介護をするご家族です。利用者の情報は余すところなく伝え、相談や要望については遠慮することなく具体的に話をしましょう。また、連絡はこまめにとり、何か対応をしてもらった時には、きちんと感謝を伝えることも、良好な関係性を築くために忘れてはなりません。

要望を共有できる「サービス担当者会議」

ケアプランに基づき、そこに関わる関係者一同が集まって、そのプランが実行可能であるかどうかなどを話し合う場を「サービス担当者会議」といいます。

居宅サービス計画の策定、サービス利用者とご家族の意向の確認、長期的・短期的目標の決定、提供サービスの決定などを協議する、とても大切な会議で、利用者とそのご家族、ケアマネジャー、サービス事業者の担当者は必参加。さらにかかりつけの医師が加わると理想的です。また、バリアフリー化のためのリフォームや、車いす導入なども計画に含む場合は、リフォーム業者や福祉用具を扱う事業者が参加することもあります。

まずは介護を受けるご本人の意思を尊重しつつ、参加者それぞれの専門的な立場から意見を出し合い、ケアプランをより完璧なものへと練り上げていきます。

ご本人の病状が悪化するなどして、要介護度に変更があったときは、改めてサービス担当者会議を開催します。

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