高齢者で起こりやすい薬剤性のアカシジア

投稿日:2026.08.18

独居で外出が少なくなり、食欲が低下しました。そこで、かかりつけ医がいろいろな薬を処方しました。すると、だんだんと落ち着かずパニック(?)になるということで当院を受診されました。

もくじ
80代女性
薬剤性のアカシジア
高齢者では注意が必要

80代女性

独居で外出が少なくなり、食欲が低下しました。そこで、かかりつけ医がいろいろな薬を処方しました。すると、だんだんと落ち着かずパニック(?)になるということで当院を受診されました。

診察時、車椅子に乗っておられましたが、じっとしておれず、立ち上がり頻回に足踏みをし、奇声を上げて座るという行動を繰り返していました。さらに、「苦しくてもう死んだほうがいい」とまでおっしゃいました。

薬剤性のアカシジア

「薬剤性のアカシジア」だと思いました。アカシジアとは、「じっとしていられない」、「足を動かさずにはいられない」といった強い落ち着きのなさが生じる症状です。

そこで、処方薬をみると、高齢にもかかわらず、スルピリド50㎎3錠を毎食後服用されていました。

抗精神病薬のスルピリドによるアカシジアと考え、漸減・中止したところ、じっとしておれない落ち着きのなさは改善して、夜間も睡眠薬なしで眠れるようになりました。

アカシジアは薬剤の副作用で起きますが、ご家族は薬の副作用とは考えず、「落ち着かない」「精神状態が急に悪くなった」「ボケがひどくなった」と思ってしまいます。

そのため、患者さんは「この苦しさをなんで周りはわかってくれないのだろうか」と苦悶して希死念慮までも生じるわけです。

これで、今年に入って4例目の薬剤性アカシジアで、すべて女性です。

高齢者では注意が必要

高齢者では、ドパミンを抑制する抗精神病薬(リスペリドン、オランザピン、ロナセンなど)だけではなく、スルピリドやプリンペランでも容易にアカシジアが起きるので注意が必要です。

お薬が増えるごとに、精神症状が悪くなるようであれば、最近、追加された薬から徐々に減量・中止すべきでしょう。

あわせて読みたい
超高齢者に処方されている抗精神病薬
超高齢者への処方は控えめに!
眠れない高齢者
それでも降圧剤を飲まないといけませんか!
認知症と誤診される側頭葉てんかん
フェルガードによる肌の若返り
高齢者が入院したら、心理的ケアを優先すべきですが
みなさまの声を募集しています。

えんがわでは、認知症のご家庭の皆さまと、
認知症に向き合う高い志をもった
医療関係者と介護関係者をつなぎます。
認知症に関するお悩み、みんなで考えていきたいこと、
どんどんご意見をお聴かせ下さい。