認知症と誤診される側頭葉てんかん

総合病院の内科でアルツハイマー型認知症と診断され、ドネペジルの処方を受けていました。しかし、もの忘れは相変わらずでイライラ、嘔気がするため、当院を受診されました。
50代男性
総合病院の内科でアルツハイマー型認知症と診断され、
ドネペジルの処方を受けていました。
しかし、もの忘れは相変わらずで
イライラ、嘔気がするため、当院を受診されました。
問診すると、時々、結婚式・旅行・宴会・
家族との会話ややりとりの一部を忘れる、
たまにボーっとしているということでした。
長谷川式スケールでは29点
(30点満点で、20点以下が認知症疑い)でした。
他医で脳波検査をすると
側頭葉優位の異常波が認められました。
それで、側頭葉てんかんと診断して、
抗てんかん薬のレベチラセタムを投与しました。
すると、
「頭がもやもやすることがなくなり、記憶が飛ぶことがなくなった、
仕事もはかどるようになった」
と笑顔でおっしゃいました。
まとめ
中年から初老期で、時々健忘(記憶喪失)がみられ、
認知機能検査ではほぼ正常の場合は、
非けいれん性の側頭葉てんかんを疑って、
睡眠脳波を検査する必要があります。

宮崎医科大学医学部卒業。独立行政法人国立病院機構菊池病院(熊本)元院長。熊本県の認知症中核病院の専門医として、熊本県全域から訪れる多くの認知症患者さんを診療され、平成30年に熊本駅前木もれびの森心療内科精神科を開院。食事・サプリメント指導により患者さんの栄養状態を改善し、お薬の量を最小限にされ、精神面の安定・改善をめざす、栄養療法を主体とした副作用の少ない「やさしい医療」を実践されている。
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