降圧剤の弊害

投稿日:2023.08.15

血圧が130以上だと、年齢に関係なく降圧剤を処方する先生がいらっしゃいます。以前、収縮期血圧は、年齢+90(85歳であれば、85+90=175)が適切といわれていました。高齢者になると、動脈硬化が徐々に進行していきますので、ある程度の血圧がないと、脳血流が低下して、脳に十分な栄養を供給できなくなり、かえって脳梗塞のリスクになるといわれています。

もくじ
90代女性
80代男性
レビー小体型認知症の90代女性
まとめ

90代女性

初診時、「気分が沈む、眠れない、食欲がない、頭がボーッとする、昨日のことが思い出せない、脚がつる、喉が詰まった嫌な感じ」と愁訴が多彩でした。降圧剤を中止して、マグネシウム浴・栄養指導により、すべての愁訴が改善しました。「非常に元気になった」とご本人もご家族も大喜びです。

80代男性

降圧剤を服用して、血圧はだいたい120/70程度。80代にしては低過ぎます。かかりつけ医に、降圧剤中止を依頼しましたが、処方は継続されました。そこで、家族が自主的に降圧剤を中止したところ、会話が成り立つようになり、自分の気持ちを言語化するようになりました。認知症後期高齢者への漫然な降圧剤処方には注意すべきです。

レビー小体型認知症の90代女性

スタチン・降圧剤中止、人参養栄湯追加により、表情が明るく、拒絶していたパズルに取り組み、掃除もされるようになりました。すばらしい改善です。薬剤過感受性のレビー小体型認知症では、減薬が必須です。

まとめ

最近、降圧剤を中止して、元気になったり、イライラがなくなったり、身体症状が改善したり、もの忘れが改善したりする方々を、よく見かけるようになりました。

高齢者で降圧剤を服用して、収縮期血圧が130以下の場合は、一旦降圧剤を止めて経過をみるべきだと思います。

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