認知症いろいろ・気持ちもいろいろ

投稿日:2025.04.28

デイサービスで働き始めて、もうすぐ一年になります。ここでは、1日10名までのお受け入れ。その分、ひとりひとりと向き合う時間がたっぷりあって、以前よりもぐっと深く関われるようになりました。私は看護師として、薬の知識をもとに認知症と向き合ってきましたが、この一年で学んだのは、薬だけでは足りないということ。 医療と介護、両方の視点があってこそ、支えられる「今」があるのだと実感しています。

もくじ
満足してもらう
どうしても相性はあります
まとめ

満足してもらう

●「ちょっと外に出たい」と言われたとき、
「今は無理だから待ってね」と伝えると、たったそれだけで、悲しい顔になってしまうことがあります。
認知症の方にとって「今やりたい」という気持ちは、とても強い。
そのタイミングを逃さずに、できるだけ一緒に歩く。
それだけで、心の距離がぐっと縮まります。

●不安を抱えている方も多いです。
お金のこと、家族のこと、将来のこと。
話をさえぎらず、ただじっくりと耳を傾ける。
それだけで、表情がやわらぎ、「ありがとう」と笑ってくれる瞬間に立ち会うと、こちらまでほっとします。

大切なのは、満足してもらうこと。
「今日、楽しかった」と思ってもらえるかどうか。
それが、明日への元気に繋がる。
安心して、楽しい時間を過ごしてもらうことが、結局はいちばんのケアなのだと思います。

どうしても相性はあります

もちろん、人と人ですから、どうしても相性があります。

無理に距離を縮めようとすると、かえって関係がぎくしゃくしてしまう。
そんなときは、違うスタッフが入ることで、ふっと空気が和らぐこともあります。

無理しない、無理させない。
それもまた、大切なケアのひとつです。

まとめ

やりたいことができる。

不安がなくなる。

満足できる一日を過ごせる。

そんな時間を一緒に積み重ねていきたい。
それが、認知症の進行をゆるやかにする力にもなると信じています。

これからも、「今」を大切にしながら、利用者様と一緒に歩んでいきたいと思います。

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