要介護2って軽症?

今日は‘要介護度’について。介護保険制度って耳慣れない言葉のオンパレードで、最初は難しいですよね。外来でご家族に聞いても 「要介護度?えっと…よくわかりません。」という方が結構います。
基本的な知識
要介護度は、軽い方から
要支援1 ⇒ 要支援2
その上に要介護があり、
要介護1 ⇒ 要介護5まで。
今日はこの中でも要介護2と要介護3の境目に、
フォーカスをあててお話をしてみますね。
意識せざるをえない時
介護度についてよくわかっていない家族も、意識せざるをえない時。
それは…
一人暮らしがそろそろ限界では?と考えはじめる時期です。
「ケアマネが、要介護3以上じゃないと施設に入れないって言うから。」
こんな風に使われます。
それでは一人暮らしができる要介護2はまだまだ‘軽症’なのか?
現場のリアルを知る人はブンブンブンっと首を振るに違いありません。
一番重要な分岐点
要介護2の定義はこんな感じ。
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立ち上がりや歩行、入浴・排泄・着替えに
一部または多くの介助が必要な状態
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要介護3では、ほぼ同じ内容で‘全面的な介助’が必要。
声をかけたり手助けをすれば、なんとか出来ますよ。
これが要介護2。
裏を返すと…
声をかけたり手助けがなければ…一人ではうまく出来ない!
これが要介護2です。
もの忘れ症状があるので、声を1回かけておわりではありません。
同じことを何度も何度も聞かれますし。
トイレで便がうまくふけずよごれた手を壁で拭いたり。
近くの家族や介護サービスでうまくいっているかはともかく
何とか…とにかく…暮らしている、暮らさざるをえない。
それが要介護2です。
要介護1・2の方の暮らしをどれだけ上手にサポートできるかによって、
その先に進むかどうかも決まる。
ある意味では一番重要な分岐点にいるのがこの段階の方だとも言えます。
できないことを代わりに全てやってあげましょうではなく。
ご本人がやれることをどうしたら無理なくできるか?
そんな視点でサポートしていく。
一緒にやっていく。
これが自立支援という考え方ですよね。
介護保険から外されるかも
これをね、5つある数字の中では小さい方だし。軽症でしょ?
国はそんな雑な考えで介護保険から外そうとしています。
軽症なんだから、地域のボランティアとかそういうのでよきようにやっておいて。
軽症なんだから安い価格でいいよね。
その結果、当然ながら受け皿となる総合事業はさっぱり広がらず。
受け皿もないのに強行突破で介護保険から外す?
早ければ2027年度の改定でそうなってしまうかも。
どう思いますか。
300万人以上いると言う介護家族の離職がいっそう進むことは間違いありません。
Youtubeチャンネル「かいご噺」
そんな事態は許さない!そう思った方にお願いです。
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特養(駒場宛)施設長である
坂野 悠己さんの、
X, インスタをフォローして
下さい!
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坂野さんは、このような改正に反対する政治家への活動をしています。
この活動を大きくするには、沢山のフォロワーがいた方が効果的なので。
かいご噺というYoutubeチャンネルでも、この問題を取り上げてので、ぜひぜひ。
YouTubeチャンネル「かいご噺」
このチャンネル、先日私も医師編でお邪魔しましたが、とても面白かったです。
※本記事は白土綾佳先生のメルマガ配信の過去の内容を一部構成し直したものです。メルマガ(無料)のお申込みはこちらから

自治医科大学医学部卒業後、茨城県の地域医療に従事され、平成29年にあやか内科クリニックを開院。大病院に紹介しても症状が改善しない患者さん、介護で疲れ切った家族を笑顔にしたいという思いで、公立病院勤務中にコウノメソッドを開始し、劇的に改善する患者さんを見て、この方法を全国に広げるための活動をはじめられる。「認知症にならない」予防と「認知症になっても大丈夫」な診療・環境づくりの両輪が整う社会を目指されている。