薬物に頼らない不眠対策

投稿日:2025.01.28

認知症で一番多いアルツハイマー型認知症では、脳のごみといわれるアミロイドが蓄積し、神経細胞を傷害するため、脳が萎縮して認知機能が低下します。一方、アミロイドは、睡眠中の脳内の清掃作業によって除去されます。そのため、睡眠時間が6時間未満の人は、7時間以上の人と比べるとアミロイドが約5倍脳に溜まります。したがって、睡眠時間が短いとアミロイドが脳内に残ってしまい、認知症のリスクになります。

もくじ
睡眠障害は日本人の5人に1人
不眠症の後期高齢男性
睡眠を改善するための11項目

睡眠障害は日本人の5人に1人

睡眠障害は日本人の5人に1人にみられ、高齢になるとその頻度が増加するので、高齢者の多くの方々が、睡眠薬を服用しています。しかし、睡眠薬の長期使用も、認知症のリスクになります。
そのため、高齢者の不眠には、薬物以外の対策が必要です。これに関しては、昨年7月にも考察しましたが、今回はさらに深堀りしたいと思います。

高齢者の不眠治療

不眠症の後期高齢男性

マグネシウムのサプリを服用するようになって、1週間でエチゾラム(デパス)なしで眠れるようになりました。すばらしいマグネシウムの効果です。マグネシウムはセロトニンを睡眠ホルモンのメラトニンにする時に必要です。

睡眠を改善するための11項目

睡眠を改善するために、下記の11項目が挙げられます。マグネシウムだけで眠れる人もいますが、やはりいくつかを組み合わせた方がより効果的です。

①5~20分ぐらいの朝散歩により、幸せ物質のセロトニンが増え、このセロトニンが夜になって暗くなると睡眠ホルモンのメラトニンになります。したがって、朝散歩をしないとメラトニンが増えません。

②適度な運動(週3回、30分程度の有酸素運動と筋トレ)。

③カフェインは不眠の原因になりますので、コーヒー、紅茶、緑茶、ウーロン茶、エナジードリンク、栄養ドリンクなどのカフェイン飲料をできるだけ控えます。最低限、14時以降には飲まないようにします。夜の飲用には、カモミールティ、パッションフラワーティー(抗酸化物質のアピゲニンが睡眠促進)がお勧めです。

④就寝2時間前の、マグネシウム入浴(入浴剤の死海の塩・エプソムソルトを使用)。

⑤夕食後の室内照明は明るくしない。夜間は真っ暗にする。最近の研究では、真っ暗にしないと認知症のリスクが増加するようです。

⑥就寝1時間前から、ブルーライトカット(スマホ、タブレット、テレビを観ない)。

⑦睡眠薬の代わりに、マグネシウム・ナイアシンサプリを就寝30分前に服用する。

⑧眠前のポジティブ日記(きょうを振り返り、良かったことを3つ見つけて書く)、「きょうは1日良かったな」という気持ちになって、睡眠に臨むと悪夢が少ない。

⑨失眠、安眠のつぼマッサージ(眠れない夜は、ココを押そう!スーッと眠りに誘う「快眠ツボ」|元気通信|養命酒製造株式会社 (yomeishu.co.jp)

⑩(神門メソッド)3回。


書籍:自律神経を整える神門メソッド

⑪448呼吸法(4秒吸って、4秒息を止め、8秒で吐く)を眠前に4回だけ行う。

最初は無理せず、ご自分でできることから少しずつ始めましょう。そのうちに、睡眠薬なしで眠れるようになるでしょう。

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